中部近畿産業保安監督部より以下の発表があった。
2013.05.02 三重県ウインドパーク笠取風力発電CK-19号機風車で発生したナセル脱落事故について(電力安全課)
http://www.safety-chubu.meti.go.jp/denryoku/20130502_kasadori.htm
株式会社シーテックが提出した事故報告書(中間報告)に基づく
http://www.safety-chubu.meti.go.jp/denryoku/pdf/20130502_kasadori.pdf
事故原因は
1)ピッチモーターブレーキを構成するスプラインが不適切な材質で製造されたため。
 ・スプラインの異常磨耗が発生、
 ・3枚のブレードともピッチ角を保持するブレーキ力が規定値を下回った。
 ・強風時にフェザリング状態を保持できなくなり
 ・3枚のブレードが同時に逆ファインになった
 ローターの過回転が発生した。
2)ローターの過回転により
 ・変形したブレードがタワーに接触
 ・タワーを結合するブレードに設計荷重を超える力が作用
 ・せん断応力、引張応力が作用しボルトが破断
 ナセルが脱落した。
事故防止対策
 当面の措置
 1) 全風車のピッチモーターブレーキについて点検
   ・健全性を確認
   ・耐摩耗性の低い、ブレーキ力の低いピッチモーターブレーキを取替える。
 今後の検討課題
 2) ピッチモーターブレーキについて
   ・点検マニュアルを整備
   以下の再発防止策を検討する。
   ・ブレーキ力の監視方法
   ・フェザリング時のピッチ角の保持方法
今後の検討課題が解決した段階で(中間報告)が最終報告になる。


本件は、
事故を起こした19号機において「スプラインが不適切な材質で製造されたため」とあり、
他号機は「全風車(18基)のピッチモータブレーキについて、早急に点検を行い健全性を確認する」となっている。
「2013年5月3日 読売新聞」では
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/chubu/news/20130503-OYT8T00169.htm?from=popin
原因は
1) 装置内にある金属の円盤が摩耗したため
2) 材質はアルミ合金
となっており、
再発防止策は
1) 他号機の、円盤がアルミ合金かどうか不明のものもあり、今後、点検する。
とあった。
最終報告の段階ではこれらの検討課題が解決している。